全国のご当地漬物

全国のご当地漬物

日本列島は南北に長く、各地の気候・風土・食文化を反映した個性豊かな漬物が存在します。旅先でその土地ならではの漬物に出会うことは、日本の食旅の大きな楽しみのひとつです。ここでは、地域ごとの代表的な特産の漬物をご紹介します。

●北海道

冬の寒さを生かした漬物の宝庫です。大根やキャベツを身欠きにしんと米麹で漬け込む「にしん漬」は、北海道の冬の伝統漬物。白菜やキャベツの間に紅鮭の切り身を挟んで麹で漬ける「紅鮭はさみ漬」は、野菜と魚と麹のうまみが溶け合った北海道ならではの味です。

●東北地方

雪国の保存の知恵が生んだ漬物が並びます。秋田の「いぶりがっこ」は、大根を燻してから漬け込む独特の香りが持ち味。山形の「青菜漬(せいさいづけ)」は高菜の仲間の青菜を漬けたもので、刻んでご飯と合わせる「おみ漬」とともに冬の食卓に欠かせません。

●関東地方

東京の「べったら漬」は、塩漬けした大根を麹床で漬けた、麹の自然な甘さが身上の江戸の名物。千葉の「鉄砲漬」は、しろうりの中をくり抜き、しそを巻いた唐辛子を詰めた歯切れのよい醤油漬けです。大根・なす・れんこんなど7種の野菜を漬け込む「福神漬」も、東京生まれと伝えられる漬物です。

●信越・北陸地方

長野の「野沢菜漬」は、全国でもっとも親しまれている菜漬けのひとつ。美しい緑色とやわらかな茎の食感を保つため、産地では低温管理を徹底した漬物づくりが行われています。同じ長野の木曽地方に伝わる「すんき漬」は、塩をまったく使わず乳酸発酵だけでつくる全国でも珍しい漬物。富山・石川の「かぶら寿し」は、かぶの間にぶりを挟んで麹で漬け込む、北陸の冬のごちそうです。

●中部・東海地方

愛知の「守口漬」は、長さ1メートルを超える細長い守口大根を酒粕で漬けた名品。静岡の「わさび漬」は、刻んだわさびの茎や根を酒粕と練り合わせたもので、ツンとした辛みと酒粕の甘みの調和が楽しめます。

●関西地方

京漬物の名で知られる京都は、漬物文化がもっとも花開いた土地のひとつ。かぶを薄く切って昆布と漬け込む「千枚漬」、なす・きゅうりをしそと漬け込む「しば漬」、「すぐき漬」が京都を代表します。大阪・泉州の「水なす漬」はみずみずしい浅漬けとして人気。和歌山は南高梅で知られる梅干しの本場で、奈良の「奈良漬」は酒粕漬けの代名詞です。

●中国・四国地方

鳥取の「砂丘らっきょう漬」は、砂丘地帯で育つらっきょうの甘酢漬け。広島の「広島菜漬」は、広島市周辺だけで栽培される広島菜を漬けた菜漬けで、幅広の葉とほのかな辛みが持ち味です。香川の「讃岐もろみ漬」など、しょうゆ・もろみ文化を映した漬物も見られます。

●九州地方

九州といえば「高菜漬」。福岡や熊本・阿蘇の高菜を使い、漬け込んでべっこう色に熟成した古漬けは、刻んでご飯のお供に、油炒めに、ラーメンの具にと大活躍します。鹿児島の「つぼ漬」は干し大根を甘めに漬けたもので、カレーのお供としてもおなじみ。沖縄には「パパイヤ漬」など、南国の食材を生かした漬物があります。

全国の漬物一覧(47都道府県)

地域地域特産の漬物
北海道紅鮭はさみ漬、にしん漬、松前漬
青森梅漬、しそ巻きの梅漬
岩手金婚漬
宮城長なす漬
秋田いぶりがっこ
山形おみ漬、青菜漬
福島相馬きゅうり漬、三五八漬、大根のしそ巻
茨城納豆漬、梅干し
栃木寿司用がり、たまり漬、甘らっきょう漬
群馬カリカリ梅
埼玉しゃくし菜漬
千葉鉄砲漬
東京べったら漬、練馬たくあん、福神漬
神奈川梅干し、桜の塩漬け
新潟山海漬、数の子漬、味噌漬け、たくあん
山梨甲州小梅漬
長野野沢菜、わさび漬、すんき漬
富山かぶら寿し
石川かぶら寿し
福井花らっきょう
岐阜赤かぶ漬、しな漬
静岡わさび漬
愛知守口漬、渥美たくあん
三重伊勢たくあん、養肝漬
滋賀日野菜漬、さくら漬、下田なす
京都しば漬、すぐき漬、千枚漬
大阪水なす漬、奈良漬
兵庫奈良漬
奈良奈良漬
和歌山梅干し、紀の川漬
鳥取砂丘らっきょう漬
島根津田かぶ漬
岡山土居分小菜
広島広島菜漬
山口寒漬
徳島奈良漬、いなかたくあん
香川讃岐もろみ漬
愛媛緋の蕪漬
高知ピーマン漬
福岡高菜漬
佐賀粕漬(鯨軟骨、貝柱、海茸など)
長崎寒干漬
熊本阿蘇たかな
大分かぼす漬、ざぼん漬
宮崎干し沢庵
鹿児島つぼ漬、山川漬、桜島大根の粕漬、麦みそ漬
沖縄パパイヤ漬、らっきょう塩漬