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全漬連第16回地域特産品委員会を開催
[提供:食料新聞]

 

盛大に開催された地域特産品委員会

展示された名古屋の特産漬物

全漬連第16回地域特産品委員会

 

全日本漬物協同組合連合会・地域特産品委員会(前田節明委員長)が20日13時30分より、愛知県犬山市の「名鉄犬山ホテル」において盛大に開催。今回で16回目を数える大会のテーマは「いいものは、いい!伝えなければならない日本の宝、特産品」。全国から60余名が参加し、南山大学の安田文吉教授による基調講演、「味噌はつくらない〜斜陽する伝統食品V字回復の秘訣〜」や地元愛知の名産「守口漬」を題材に生産者と製造者のかかわりの事例発表など、充実した内容で大成功を収めた。

今回は愛知大会ということで、公益社団法人愛知県漬物協会と共催し、愛知県漬物事業共同組合の主管で開催された。地域特産委員会は、愛知県漬物事業共同組合の曾我公彦専務理事の司会で、野田明孝副理事が開会の辞を述べて開幕。

続いて壇上に立った愛知県漬物協会の鈴木礼治名誉会長が歓迎の挨拶をし、「本日お集まりの皆様には今委員会をきっかけに、ぜひとも多種多様な愛知の漬物を召し上がって頂いて漬物の魅力を再発見していただき、ひいては消費の拡大につなげていきたい」と抱負を語った。

全漬連の秋本幸男会長は、全漬連の主要事業である同委員会への参加者に謝辞を述べた。そして「どの地方でも地域の特産品を育てようとする意気込みが感じられ、とても感動いたしおります」と語った。また、「愛知県では特に守口漬が有名です。原料は愛知県扶桑町が全国唯一の産地と言われています。この貴重な特産品を大切に育ててください」と述べ、さらに新たな物産品の開発にも言及した。そして「愛知県は組合活動も盛んで、全国でも唯一の公益社団法人による組合を有しておられ、大変素晴らしく思います」と同組合を絶賛した。

次に壇上に立った前田委員長は、全国から集まった参加者並びに来賓に感謝の意を表した。そして特産品作りについて「良き製品は良き産地から、良き産地は良き土壌から」と地元産地育成について語った。また「佐賀県の場合、佐賀県漬物協同組合の組合員は12社ですが、漬物製造許可取得法人はその約40倍の493社です。この計算から、全国では約4万8000社が漬物事業に従事されていると推測できます。またその多くは中央の市場ではなく、ローカル市場に見られ、地域特産漬物がまだまだあると思います」と新たな特産品発掘の可能性について言及した。

来賓者による祝辞では、守口大根の生産地である扶桑町の江戸満町長が「町民自から、守口漬という大切な特産品を使って新商品開発に取り組んでいます。その結果、守口漬ケーキなどを開発しました」と商品開発への情熱を語った。祝電披露に続き、愛知県漬物事業共同組合の山田謹一副理事長が閉会の辞を述べ、第1部の「大会式典」が閉会した。

休憩をはさみ、第2部の「基調講演」がスタートした。講師は南山大学人文学部日本文化学科の安田文吉教授が務め、「名古屋飲食夜話」と題し名古屋の食文化について講演した。安田氏はまず名古屋の歴史的背景について「徳川宗春の規制緩和により、地場産業の保護育成と販路の拡大の結果、町人に実力がついていった」と物づくり文化発祥の背景を説明した。その後本題である「名古屋飲食夜話」に移り、「名古屋のおでんと味噌について」、「助六鮨は名古屋発」、「フナ味噌の思い出」、「春のうなぎ」、「味噌煮と寄せ鍋」、「ういろうは薬だった?」、「ブリの味噌漬溜り漬」など、興味の尽きない話をユーモアたっぷりに語った。

休憩の後、第3部の「事例発表」が始まった。蔵元・桝塚味噌・合資会社野田味噌商店の野田清衛代表が「味噌はつくらない〜斜陽する伝統食品V字回復の秘訣〜」と題して発表した。野田代表は「26年前に会社の代表になってからずっと続けていることがあります。それは子供たちの味噌蔵見学の案内です。これは全てに優先させて、全て私が行なっています。そこで最近感じることは、子供は昔と少しも変わっていない。変わってきたのは親なのだ、ということです」と語った。また「伝統食品にV字回復はありえません。しかし、なだらかな曲線は作れるかもしれません。私は味噌屋ですが、味噌は売っていません。漬物屋さんも漬物を売ってはいけないと思います。では何を売るのか?子供たちを味噌蔵に案内しても、金儲けにも何にもなりません。でも26年続けたらどうなったか。キーワードは、人任せにせず全て自分が動いて自分がことを進めること。そして常に不可能にチャレンジし続けることです」と述べた。

続いての「事例発表」を、名古屋守口漬暖簾会の山田謹一氏が「原料野菜の安定確保と供給の仕組み〜愛知名産守口漬からの事例〜」と題して事例発表を行なった。山田氏は「守口漬を作り、そして販売する者にとって、守口漬は『宝』です」と熱く語った。そして守口漬の歴史について述べた。1948年から扶桑町でも守口大根の栽培がスタート。当時はまだ岐阜市の収穫量の方が多かったものの、「早くからの機械化、愛知県のバックアップ、そして生産者と名古屋守口漬暖簾会の協力による守口大根の形状選別などの努力の結果、今日の姿がある」と、行政、生産者、加工業者の三位一体の協力体制の重要性を強調した。最後に「自分たちの責任は、どうやって次の世代にこの素晴らしいものを繋げていくのか、守り続けていくのか」と課題を提示し、「『本物は必ず続く!』との思いを胸に、これからも頑張っていきたい」と力強く締めくくり、事例発表は終了した。

会場を移動し、第4部の「交流会」がスタートした。公益社団法人愛知県漬物協会の栗田和典副会長の開会の辞に続き、愛知県漬物事業協同組合の大羽泰史理事長が「本物を求めていいものを作っていきたい」と挨拶した。

乾杯発声を全漬連の近清剛副会長が音頭をとって開宴。長く歓を尽くしたが、全漬連の泰地武副会長が中締めを、愛知県漬物事業協同組合の岩田孝逸副理事が閉会の辞を述べ、お開きとなった。

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