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全漬連創立40周年記念祝典
[提供:食料新聞]

イメージ:秋本会長の挨拶
秋本会長の挨拶
イメージ:謝辞を述べる黒田氏
謝辞を述べる黒田氏
イメージ:振袖さんによる祝の舞
振袖さんによる祝の舞

全漬連創立40周年記念祝典

明治記念館で全日本漬物協同組合連合会(秋本幸男会長)は11月19日、東京都港区の明治記念館にて来賓を含め総勢200名の参加で創立40周年記念祝典を開催した。半世紀となる50年につなぐ通過点として、出席者をはじめ漬物業界に関係する多くの人々の記憶に確かに刻まれた。

2000年から2010年。アメリカでは同国史上初の黒人大統領が誕生し、日本でも政権交代が起こるなど、世界の情勢は大きな変化を遂げた。食品業界に関する環境も大きく変化し、2008年の中国毒ギョーザ事件は消費者の食に対する関心(安全・安心)が高まるだけではなく、市場が大きく変わるほどの事件となった。

リーマンショック以降は、世界的な不況となった影響もあり、輸出に依存していた日本の産業は厳しい状況が続いている。食品産業もしかりで、雇用の問題、原料の安定確保、様変わる流通情勢への対応、世界規模で変化している気候や環境問題への取組みなど、課題や問題は山積。だが、すべてを解決する特効薬≠ヘない。

そんな状況下におかれながら、全漬連の会員数、漬物の出荷金額と生産量は年々減少。少子高齢化の影響で市場は確実に縮小していく。すでに一企業で乗り切れる環境になく、従来のものを従来のまま販売する形には限界がきており、漬物業界も大きな転換期を迎えている。

「漬物は美味しくて、低塩でかつ機能性に富んだ健康食品であるというPRと、漬物文化を創ることが必要。イメージだけではなく、健康性をいかに付加するかが漬物業界の最大の課題」(秋本会長)

伝統や文化は重んじなければならないが、漬物の枠を飛び越えた発想や新しいアイディアが求められていることも事実。今後の10年はさらに厳しい状況となることが予想される。漬物業界が進もうとする道は決して平たんではない。この難局を乗り越えるためには、業界全体が一致団結しなければならない。

創立40周年を迎えた全漬連がその中心となり、半世紀、一世紀と続く輝かしい未来を創るための第一歩を力強く踏み出した。この日は、新たな門出を祝うかのような雲ひとつない青空が一面に広がっていた。

華やかに厳粛に200人
全日本漬物協同組合連合会創立40周年記念式典

全漬連の創立40周年記念祝典は、脇坂文一専務理事が司会を務め、籠島正直副会長が開会挨拶及び講演会講師紹介を担当。出席者は式典に先立って行われたソムリエの田崎真也氏による講演「料理の素材としての漬物」を聴講し、『発酵』が共通である漬物とワインの相性や漬物の料理素材の提案など、漬物の新しい需要開拓のヒントになるような興味深い内容に、お礼の言葉を担当した近清剛副会長は感謝の言葉を並べた。

講演後の式典は、小池せつ子さんの司会進行で、創立40周年記念式典委員会委員長の遠藤栄常務理事による開会の辞、物故者への黙祷、会長式辞と続いた。秋本会長はあいさつの中で出席各位にお礼を述べ、全漬連の歴史や過去の10年を振り返った上で今後の10年間はさらに厳しい状況になると警鐘を鳴らし、「地球温暖化などの環境問題にも配慮し、地域農業の振興に貢献するともに、業界を挙げて消費者に信頼される漬物の提供に努め、需要拡大に向けてPR事業の活発な展開により一層の努力をしてまいりたいと考えております」と結んだ。

続いて創立40周年記念史誌編集委員会委員長の大羽恭史常務理事がパート4となる記念史誌「あゆみ」について、過去の3冊とは異なって式典の模様を組み込むことなどを報告し、漬物業界の歴史を振り返る上での重要性を改めて強調した。

感謝状贈呈では、農林水産大臣賞に、鎌田政明、深山喜一、黒田武伸の3氏が晴れて受賞の栄に浴した他、農林水産省総合食料局長感謝状に14名、財団法人食品産業センター会長感謝状に26名、財団法人食品流通構造改善促進機構会長感謝状に8名、全日本漬物協同組合連合会会長感謝状に193名、事務局食品関係に4名、関係団体に2名、報道関係は本紙をはじめ6社、食品関連産業協会関係に14社、感謝状の総合計は270に及んだ。鹿野道彦農林水産大臣が公務のため、農林水産大臣賞と農林水産省総合食料局長感謝状は農林水産省総合食料局の高橋博局長より、財団法人食品産業センター会長感謝状は西藤久三理事長より、財団法人食品流通構造改善促進機構会長感謝状は馬場久萬男会長より、全日本漬物協同組合連合会会長感謝状は秋本会長より手渡された。

受賞者を代表して黒田武伸氏による謝辞、来賓紹介と続き、高橋博局長が来賓祝辞を述べた。明治神宮管理部長の江馬潤一郎氏による全漬連への感謝状授与、司会者による祝電披露と続き、野ア伸一副会長による閉会の辞にて終了となった。

未来へ誓う祝賀会

「富士の間」に移動し、午後5時半過ぎより挙行された40周年祝賀会は、浅草振袖さんの祝いの舞「千代の松」で華やかにスタート。式典に引き続いて小池せつ子さんが司会を務め、まず開会・主催者あいさつとして、泰地武副会長が登壇した。

泰地副会長は来賓、会員に対して式典が無事に終了したことに謝意を表し、表彰受賞者への祝辞を述べた。また、漬物業界を取り巻く環境について、JAS法改正の件、TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)等に言及し、今後の連合会運営に対して支援・協力を求めた(全文別掲)。

続いて、相撲甚句の国錦耕次郎さんと、相撲漫談の一矢(かずや)さんによる、全漬連創立40周年記念甚句が披露された。日本相撲協会の相撲甚句の講師を務める国錦さんが「ア〜 ドスコイ ドスコイ」のかけ声とともに、「新鮮野菜数々と/これを漬けたら幸よ来い来い/安心安全健康で/これぞ全漬連の合言葉」(一部省略)と歌詞に織り交ぜ、「50年80年100年までも/伝えて行こう日本の味を大切に」と歌い上げると、会場から割り箸に挟んだご祝儀が振る舞われ、大いに盛り上がった。

ここで乾杯に移り、前田安彦常任顧問(宇都宮大学名誉教授)が登壇。司会者より、前田顧問が秋の叙勲において瑞宝中綬章≠受章したことが報告されると、会場からお祝いの言葉と拍手がわき上がった。

前田顧問は「先ほどの式典で、表彰を受けられた方のお名前をお聞きするたびに、北は青森から南は鹿児島まで、お話をしたり、酒を飲んだりしたことを思い出しながら、お名前を伺っておりました」と、受賞者への祝辞を述べた。瑞宝中綬章の授章については「皆様のお陰でいただけたものです。この席をお借りして、厚く御礼申し上げます」と謝辞を述べ、高らかに乾杯の発声を行った。

続いて公務多忙の中、駆けつけた衆議院議員の武部勤顧問が祝辞を述べた。武部顧問は「経済情勢が厳しい真っ只中、内需型産業である漬物は本当に大変だと思います。また政治が不安定であることを心苦しく思い、我々が野党であることも歯がゆい思いを抱いています」と胸の内を明かした。

しかし「漬物は地産地消の最たるもの。これから、日本の心をどう取り戻すかというのが我が国の課題。そのためには漬物のルネッサンスを図り、皆様方の創意工夫で良い商品を開発していただき、そのことによって、和食にもう一度皆が心を寄せる時代を共に創ろうではありませんか」と激励した。

ここで来賓の氏名が紹介され、代表して食品産業センター西藤久三理事長が祝辞を述べた。

自ら体験農園で育てた野菜を漬物に加工しているという西藤理事長は「漬物は、健康・野菜・簡便化・高齢化・単身世帯という世情に目を向ければ、40年を節目に、さらに発展が期待される」と述べ、お祝いの言葉とした。

しばし歓談の後、浅草振袖さんが再び登場。5名の振袖さんが勢揃いし、赤・紫・桃・深緑・山吹色の振袖を揺らしながら優雅に、そしてたおやかに舞い踊って会場に華を添えた。

間を置いて、相撲甚句の国錦さんと一矢さんも再登場。伸びのある見事なノドで「お家繁盛/悪い病のはやらぬように」との祈念を込めて歌い、日本古来の食文化である漬物業界の慶事にふさわしい、和の情緒を感じさせた。

祝賀会も、宴たけなわのうちに中締めの時間となり、中田肇元会長、平井義久前会長両名が登壇。「経済が厳しい中ですが、お互いに頑張っていきましょう」と声をかけ、相撲の拍子木の音も加わって高らかに三本締め。

最後に、木村守雄副会長が閉会の言葉を述べ「40周年の式典、祝賀会が盛会のうちに閉会の時間となりました。諸官庁の皆様も、長時間にわたりまして、ありがとうございました。記念の相撲甚句にもあったように、50年、80年、100年までも、これから業界も頑張って行きたいと思います」と締めくくり、華やかな祝典もお開きとなった。

漬物コーナー設置
○…祝賀会には「漬物コーナー」が設置された。東北、関東、中部、関西、九州ブロックごとに「晩菊」「べったら漬」「東京たくあん」「きゅうり漬」「梅干」「しば漬」「守口漬」「広島菜」「高菜」「千枚漬」などが彩りを添えた。豪華な料理が提供された立食パーティーも「やっぱり、漬物だね」とはしを伸ばす出席者は多かった。

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