旬の野菜を、自然の恵みそのままに、丹念に漬け込んだ、風味豊かな近江の漬物。

   






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近江のお漬物

田上の味「黄金漬」
 
昔から滋賀県で菜の花漬を作っている田上地域は、大津市の南東部、田上山のふもと、大戸川が流れる小さな盆地です。おいしい米が採れることでも知られる山間の田園地帯です。田上の菜の花漬の中心は、地元では、「黄金漬」と呼ばれる菜の花の古漬です。京漬物などよく知られる菜の花漬は、漬け始めから一週間ほどで食べる新漬が多いですが、田上の「黄金漬」は塩漬けのみで約五ヶ月以上漬ける古漬が中心です。「黄金漬」は新漬とは違い漬物の香りが強くそれがまた魅力です。

 この地域は、温暖で秋から春にかけて栽培する菜の花には適しており、古くから菜種油をとるための菜の花の栽培が盛んでした。菜の花は、頂点や頭上に花を付けていると枝の張りが少なく花のつく量が少なくなり、菜種の量も少なくなるため、栽培時には花をまびきます。「黄金漬」は、このまびいた花を塩漬けしたのが始まりだといわれています。 現在では、昔から伝わった菜種用の品種を、花だけをとるために、水田の裏作として栽培しています。

 栽培している品種は、自家採取のものを利用しているためはっきりした品種はありませんが、スーパーなどで「菜花」として販売されている菜の花のように、特に寒い時期に多くの花をつけるように改良されたものでもなく、花のつく枝の数も多くはありません。むしろ、京野菜の畑菜などに近い形をしています。

つぼみを手摘み

 菜の花の栽培は、9月20日頃に、苗場に播種し、11月頃稲作が終わった田んぼに畝を立て植え替えます。冬のあいだもゆっくり成長し、春の訪れとともに、3月下旬頃から4月中旬までいっせいに花が咲き収穫をむかえます。田上では、菜の花をひとつひとつ、ていねいに軸を入れないように花だけを手で摘み取ります。

  収穫は大変手間のかかる仕事で、開いてしまった花では良い菜の花漬ができないことから、大急ぎでつぼみだけを素早く摘み取ります。菜の花のつぼみの時期は短く、作業が短期間に集中し、収穫期には摘み取り作業に追われます。菜の花漬の生産加工の中心は、60代から70代が大半で、菜の花を摘むのが手間のかかる仕事であることから、なかなか後を継ぐ若い人がおらず、最近では、グループで生産される菜の花の量が少なくなってきています。そのことからも希少価値の高い商品となっています。

塩だけで漬け込む

 菜の花の「黄金漬」は、菜の花と塩以外はいっさい使いません。収穫した菜の花のつぼみに塩を全体にまぶし、普通の漬物よりも重い漬物石で9月頃まで5か月間漬けます。加工の際には、摘み取った菜の花を洗わないなど、水はいっさい使いません。水を使うと漬け上がりの色が黒くなるそうです。また、漬け込んでいる間も、上がってきた水をすてたり、重石を変えたりもできるかぎりしません。夏をこえ、春の記憶も薄れた9月に黄金漬はできあがります。「黄金漬」は名前のとおり菜の花の黄色を色濃く残し、春を詰め込んだ漬物です。

 食べてみると、ひね漬けの独特の香りが強く、その香りが懐かしく感じます。そのまま、ご飯と一緒に食べてもおいしく、少し趣向を変えて、ごまや酒をふって食べてもおいしく食べられます。地元では、ばらずしの具にしたり、ご飯と混ぜて菜の花ご飯、巻きずしや吸い物にも利用します。そのまま、来年の5月ぐらいまで味が変わらず食べることができます。



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