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漬物の種類

漬物は低塩です。白いご飯と漬物で日本人を続けましよう。

漬物の『漬かる』による分類と種類

漬物がつかるということ

動植物の細胞は、細胞膜に囲まれて、安定した組織構造になっています。これが食塩、砂糖などの溶液に触れると、その浸透圧で組織構造が攻撃を受け、細胞膜の防圧機能が破壊され、内からも外からも通ずる膜に変化します。 この細胞膜の壊れたところから、細胞内に食塩が入る現象を『漬かる』といいます。細胞膜破壊が3〜4割の場合は浅漬、7割以上でよく漬かった状態になります。

野菜風味主体の漬物

破壊された細胞膜を通って、食塩が細胞膜に入り込み、なかの糖、遊離アミノ酸、AMP〈核酸関連物質〉、有機酸、香辛成分と混和して、内部で一種のスープを形成し、野菜の歯応えとスープの味を楽しむ1群の漬物があります。「野菜風味主体の漬物」に分類され、浅漬・菜漬がこれにあたります。業界用語で『新漬』、俗に言うお新香です。この分類には、果物を使った梅漬・梅干も入ります。

野菜風味に発酵味の加った漬物

スグキ、しば漬やぬか味噌漬のような、乳酸菌の関与する乳酸発酵漬物やたくあんのような、酵母の関与するアルコール発酵漬物は、前述のスープの糖分が、微生物の発酵により味と香気が変化して、スープ内容物が複雑になったものです。日本では『伝統漬物』のイメージの大きな漬物ですが、量は多くありません。しかし、ヨーロッパや中国では、この種の漬物全盛で、サワークラウト・ピクルス・泡菜〈パオツァイ〉・酸菜〈スワンツァイ〉とよく食べられる上に、料理の酸味料として、アルザス風シュークルートのように使われています。

調味料の味の主体の漬物

福神漬や甘酢生姜〈ガリ〉のように、野菜の出盛り期に強い食塩によって細胞膜を壊し、塩度20%の高塩スープの状態で長く塩蔵したのち、需要に応じて流水で高塩スープを流してしまい、残った野菜組織に外部から醤油や甘酢調味液等を浸し込ませた漬物は、野菜の風味より調味料の味が、漬物の味覚になっています。この種の漬物は、調味漬と呼ばれ、業界用語では『古漬』といわれます。味噌床や粕床に同様の、塩を除いた野菜組織を漬けた味噌漬、粕漬もこの分類に入ります。調味液や床の味覚資材の配合で種々の漬物ができ、その配合の巧拙が味覚の出来を支配します。図1に種類の多い調味漬を整理しておきます。

工程図